【エコ洗剤ってどうなの?】選び方とおすすめのエコ洗剤を紹介

最近よく耳にするようになった「エコ洗剤」や「オーガニック洗剤」。 「ちゃんと落ちるの?」「コスパはどうなの?」「本当にエコなの?」など、分からないことも多く、使ったことがない方も多いのではないでしょうか。この記事では、今日から使えるエコ洗剤の選び方や、実際に使ってみたエコ洗剤をご紹介します。

【前提知識】知っておきたい合成洗剤のデメリット

まず最初に、合成洗剤を使うデメリットを簡単にご説明します。

皮膚呼吸により合成洗剤の化学成分が体内に入ってしまう

いわゆる「経費毒」と呼ばれるもので、皮膚を介して毛細血管に合成洗剤の化学成分が入り、体内に留まってしまいます。最近増えているアレルギーも、合成洗剤の化学物質が一つの原因ではないかといわれています。

下水処理場における合成洗剤の問題

 

日々の生活の中で排出した水は、下水処理場を通って川に戻り、その水を私たちは再利用しています。 ここでは合成洗剤と下水処理場の関係について、簡単にご説明します。

合成洗剤の化学成分は、水をきれいにしてくれる微生物や細菌類を弱らせる

下水処理場では、汚水を微生物や細菌類の力できれいな水にしています。合成洗剤の化学成分が、微生物や細菌類の活動を弱らせてしまいます。その結果、処理が遅くなるなどの問題が生じます。

処理が追い付かないとそのまま川へ放流されることも

大雨などで下水処理場の処理が追い付かないと、未処理の汚水が川にそのまま放流される(合成洗剤がそのまま川へ流れてしまう)ことがあります。そしてその川や海で育った魚が、私たちの食卓に上るのです。

下水処理人口普及率は100%ではない

平成29年度末における全国の下水道普及率は、78.8%でした(日本下水道協会公式サイトより)。地域によっては下水処理されずにそのまま川へ放流されてしまうので、油や洗剤を流す量をできるだけ減らしていきたいところ。

汚水が川や海へ放流されるには2日もかからない

ある下水処理場に問い合わせたところ、排水されてから下水処理場に到達するまでに1日以内、下水処理場から川や海へ放流されるのに1日以内とのことでした。※下水処理場までの距離などによって時間は前後します。

エコ洗剤について

エコ洗剤と一口にいっても、最近ではいろいろなものがあります。 石鹸洗剤から、植物原材料からできたもの、パッケージがエコなものまで。 基本的には、化学合成物質や石油系の物質を使わずに作られた洗剤のことを指すようですが、具体的な定義はありません。 またエコ洗剤で洗っても、汚れはしっかり落ちます。一部のエコ洗剤は、「汚れがちゃんと落ちなかった」との口コミが書かれている洗剤もあるようです。心配な方は、口コミなどを確認してから購入することをおすすめします。

エコ洗剤の選び方

誰でもできる、簡単なエコ洗剤の選び方のポイントをまとめました。

生分解性を確認する

生分解性とは、水中の微生物が有機物を分解し二酸化炭素と水に戻すことをいいます。川がきれいな状態を保つことができるのは、この生分解が行われているおかげです。

理想の生分解性は2日

下水処理場に問い合わせたところ、「理想を言えば2日以内に自然に還る」洗剤が良いのこと。 メーカーによっては1日、もしくは1週間でどれくらい生分解されるかを公開しています。洗剤は自然に大きな影響を与えるものなので、きちんと公言しているメーカーのものを購入しましょう。できるだけ早く分解されるものがおすすめです。

エコ洗剤と謳っている洗濯洗剤のほとんどは、生分解性について明記していない

弊社独自に「エコ洗剤」と検索して出てきた各製品の生分解性を調べてみましたが、そのほとんどが「素早く生分解される」「短期間で生分解性される」と、ざっくりすぐに生分解されることを謳っているものばかりでした。1日で分解されるのか、1か月ほどかかるのかは明記されていません。 下の表は、製品の公式サイトから生分解される割合を弊社独自に調べ、記載したものです。 湘南生まれの洗濯用洗剤 All things in Nature(オールシングズ・イン・ネイチャー)以外は、1日もしくは1週間で生分解される割合が明記されていませんでした。生分解性の明記は、義務ではないので仕方のないことかもしれません。しかし、環境のことを考えてちょっと高めの洗剤を購入するのであれば、きちんと明記されている販売元で購入したいところ。ちなみにオールシングズ・イン・ネイチャーのコスパは、1回26.5円でやや高めですが、Amazonでの評価は4.7とかなりの高評価でした。実際に使ってみた感想や口コミは、この記事の最後で紹介しています。

コスパ一覧をチェックして購入

エコ洗剤の選び方のもう一つのポイントとして、コスパがあげられます。洗濯は1回あたりのコストがそんなに高くなくても、頻繁に使っていればいつの間にかお金がかかっているもの。ざっくりでいいので、1回当たりのコストを確認しておきましょう。 全体的に粉石鹸のほうがコスパが良いですが、衣類に残ってしまうことも多いため、多少高くても液体洗剤を好んで使う人が多いようです。 各洗剤のコスパ一覧を掲載しているサイトを見つけましたので、ご紹介します。また、使い心地や口コミについても掲載されていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。 石鹸・非合成洗剤部門 コスパランキング!

今日からできる、簡単でエコなこと

ここで紹介するのは、誰でもできる簡単なことばかりです。よかったら実践してみてくださいね。

洗剤の成分よりもまずは「使う量」を気にする

下水処理場に問い合わせたところ、エコ洗剤でもたくさん使うと濃度が高くなり、放流までの処理が大変になるそうです。洗剤は、目や口に入ったら大変な「薬」と同じようなもの。量はできるだけ少なめに使うことを心がげたいですね。

台所では油を流さないようにしよう

画像出典:町田下水道通信

下水処理の中でも大変な、油の処理。油を落とすには、たくさんの洗剤を使わないといけません。食器洗いをする前に一度不要な紙などで拭きとる習慣を。

エコ洗剤のサンプルがあれば使ってみる

イベントや店舗でサンプルがあれば、ぜひ使ってみてください。サンプルであればお財布にもやさしいのでおすすめ。オンラインショップでも購入できるものもあるようです。

実際に使ってみたエコ洗剤リスト

実際に使ってみたエコ洗剤をいくつかご紹介します。

ランドリーナッツ1,080円 (税込)

天然のムクロジの実から発生するサポニンという成分で汚れを落とします。

コスパ

1回あたり13.5円

生分解性

販売元に問い合わせたところ、「サポニンには生分解性があることがわかっている。しかし、ムクロジの実は1つ1つ大きさが異なり、サポニンの成分量も異なることから、正確な生分解性を現段階では計測できていない」とのこと。使い終わった実は土壌の肥料になり、土壌中で生分解されます。

しぜんのめぐみすい「おとなのふわっしゅ 本体600ml」2,289円(税込)

画像出典:https://ameblo.jp/hikari-kagayaku-s/image-12614675216-14472015058.html

万が一口に入っても大丈夫な商品。天然成分のみで作られています。使えば使うほど、洗濯機や排水口だけでなく、川や池もきれいになります。

コスパ

30Lの場合、洗濯1回あたり約38.1円とドラッグストアでよく見かける洗濯洗剤よりは少し高めですが、石鹸・非合成洗剤の中で考えると、ちょうど平均的なコスパです。

生分解性

14日間で生分解度92%。

使ってみた感想

  • すすぎ1回で済むので、時間がないときにはすごく助かる。
  • 1回あたりのコスパは高めでも、水道料金の節約になるので無駄に水を使わなくて済む。
  • 洗濯前に香った青森ヒバの香りが洗濯後も衣類につくのかと心配だったが、洗濯後には無臭になっていたのでよかった。
  • 子どもがいる人にも使ってもらったところ、「おしっこの臭いもすすぎ1回でちゃんと取れました」という嬉しい感想も。

緑の魔女 ランドリー(洗濯用洗剤) 820ml

画像出典:楽天市場

パッケーデザインはいかにも昔ながらのエコ洗剤という感じだが、少量でしっかり汚れが落ちます。

コスパ

1回あたり14.3円(1回の洗濯水量30Lに対して計算)

生分解性

具体的な生分解性については明記なし。商品説明欄には、「安全で生分解性が高く、水質汚染を起こしません」とだけ書いてあります。

使ってみた感想

ぬるま湯でなくても、しっかりした泡立ちで汚れを落とせます。洗濯後も香りが少し残ります。

もし気になるものがあれば、覗いてみてくださいね。

 

エコ洗剤で環境保全のお手伝いを

いかがでしたか? エコ洗剤は、きちんとした定義はないものの、化学合成物質や石油系以外の自然由来から作られた洗剤。 自分のライフスタイルに合っていて、環境にも影響が少ないものを選んでいけたらいいですね。 特に、プレゼントとして洗剤を贈るときは、自信をもって「使ってみて!」と言えるものを渡してあげたらきっと喜ばれるでしょう。