【エシカルとは?】―今話題のエシカルについて徹底解説します。

最近よく耳にするようになった、「エシカル」という言葉。 「エシカルって何? 知っておいた方がいいの? なんだかよくわからない・・・」という方のために記事を書きました。 皆さんの生活と密接に関係しているエシカルの考え方。
最近では、有名な俳優の方もエシカルに積極的に関わっています。 映画「ハリー・ポッター」のキャストである女優のエマ・ワトソンは、エシカルな生産方法を採用しているブランドとならノーギャラでコラボすると宣言しました。
日本における活動では、エシカル協会代表理事の末吉里花さんがエシカルブランドのアンバサダーとなり、積極的にエシカルな情報を配信・活動しています。 また、各地でもエシカルなショップや、オンラインストアが増えつつあります。
この記事では、エシカルの言葉の意味や、知っておきたい最新トレンド、手っ取り早くエシカルに関わる方法などをご紹介。 記事を読めば、エシカルの大まかな内容を知ることが可能です。 この記事を読んで、エシカルについて知っていきましょう!

エシカルとは

エシカルの意味

エシカル(ethical)とは、「倫理的な」という意味。 難しく聞こえますが、平たくいうと「良心的に考えてみよう」という概念の言葉です。 最近では、環境、社会への考慮といったニュアンスで使われていることが多く、「エシカル消費」とはここからきており、環境や社会のことを考えた消費活動のあり方を指しています。

エシカルに明確な定義はあるのか?

エシカルという言葉には、明確な定義はありません。 法律に関係するものでもなく、また「〇〇だから絶対エシカル」という決まりやルールもありません。つまり、概念的な言葉ということになります。 各ショップやイベント運営側がそれぞれの条件を定めていることが多いようです。

エシカルという言葉の日本における認知度

ある調査結果によるエシカルの認知度を抜粋して紹介します。 現在の認知度は低めですが、これからの時代には必要という意見もあり、認知度が上がる可能性が高いと考えられます。
  • 「倫理的消費」「エシカル」の認知度:1割未満
  • エシカルな行動の実践経験:7割強
  • エシカル消費のイメージは「これからの時代に必要」:3割弱
出典:「倫理的消費(エシカル消費)」に関する消費者意識調査』結果報告書(2017)

エシカル消費の例

エシカル消費の例として、どんなものがあるのでしょうか。例を一部あげてみました。 言葉は知らなかったけど実はエシカル消費をしていた、なんて方も多いのではないでしょうか。
  • グリーン購入
  • 自然エネルギー利用
  • エコマーク付き製品
  • オーガニック製品
  • 車のレンタル・シェア
  • エコホテル
  • 省エネ、低炭素製品
  • リサイクル製品
  • フェアトレード製品
  • 地産地消(自然エネルギー等も含まれる)
  • 地元商店での買い物
  • 応援消費
  • 伝統工芸
出典:「エシカルな消費とは-一般社団法人エシカル協会」

エシカル関連でホットなテーマ

エシカルの言葉の意味・例をご説明してきましたが、次にどんなテーマ・活動が活発になっているのかをみていきましょう。

エシカル・ファッション

エシカル・ファッションとは、環境・労働者・社会に配慮したファッションのことを言います。2013年にバングラデシュで起こった「ラナ・プラザ崩落事故」に代表される工場の強制労働、製造過程で使用されている化学薬品による環境破壊などは、世界的な問題となっています。こうした問題が世に明らかにされ、「環境・社会問題を引き起こさず、解決策となる倫理的なファッションを!」という意識が1990年代から高まり、エシカルファッションという言葉が広まりました。2010年ごろから、新たなムーブメントとして注目度が上がり、浸透する兆しが見え始めています。

エシカル・ファッションブランド

現在では誰もが知っているラグジュアリーブランドから、ファストファッションまで、さまざまなブランドがエシカル・ファッションに取り組んでいます。 フェアトレードチョコレートで有名な「ピープルツリー」もエシカル・ファッションブランドの一つです。

エシカル・ファッション・フォーラム

イギリスのエシカルファッション支援NPO・Ethical Fashion Forum(EFF)は、2004年に設立され、会員数は、100ヵ国・1万人超と、かなり大規模なエシカルファッションの推進団体です。

世界のセレブも注目するエシカルファッション

世界的に有名なあのセレブたちも、積極的にエシカルファッションに関わっています。 それぞれの女優が自分なりの「エシカル・ファッション」スタイルをもって宣言しています。

エシカル協会の代表は末吉里花さん

末吉里花さんは、エシカルファッションを代表するピープルツリーのアンバサダーであり、一般社団法人エシカル協会の代表でもあります。 エシカル・コンシェルジュ講座なども開き、エシカルの考え方を世に広めようと積極的に活動されています。

企業のイメージアップ

エシカルな商品ということが、付加価値になりつつあります。エシカル商品の提供が企業イメージ向上につながると、7割弱が評価しています。 NPO法人環境市民など38の市民団体は3月9日、共同で調査した第2回「企業のエシカル通信簿」(2017年度)を発表したそうです。調査対象は化粧品メーカー5社、コンビニエンスストア(CVS)チェーン大手4社、宅配便事業者3社の合計12社で、このうち合計点が最も高かったのは花王で、最も低かったのはミニストップだったとのことです。

エシカル消費のメリット・デメリット

エシカル消費をすることで、自分以外の人や環境、社会に貢献することが可能です。また、日本がSDGs※関連に9億ドルの支援、30億ドルの取り組み、日本円にして合計約4000億円を投資すると言っていることもあり、エシカル消費の考え方は広まりつつあります。できることなら、エシカルなものを身に着け、エシカルな買い物をしてエシカルライフを楽しみたいですよね。 長く続けていくためにも、エシカル消費のメリット・デメリットを簡単に押さえておきましょう。 ※SDGs:「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標のこと。

エシカル消費のメリット

エシカルな商品を買うことで、消費者として私たちが得られるメリットとしてはどのようなものがあるのでしょうか。1つずつ見ていきましょう。

衣類の丈夫さ

エシカルな商品は、大量生産ではなく一つ一つ丁寧に手作りされている物が多く、その分長く着られるものが多いです。個人的には、流行を追う人でもベースとして着る頻度の高い洋服は、エシカル・ファッションのブランドで購入するのもありだと思います。

オーガニックな原材料を可能な限り使用していることが多い

農薬を必要以上に使うことは、環境や生産者に悪影響を及ぼします。よって、エシカル商品はオーガニックな原材料を可能な限り使用して作られていることが多いです。オーガニックな商品を使うことは、子どもや肌の弱い人にもメリットが大きいと考えられます。

エシカル消費のデメリット

エシカル消費のメリットとは逆に、デメリットとしてはどのようなものがあるのでしょうか。これを知っておくことで、よりエシカルについての理解が深まります。

本当にエシカルな方法で作られているのかは不明

農薬の使用状況についてなど一部の検査を除き、「その商品を買うことで本当に社会貢献になっているのか?」を一般人が知ることはほぼ不可能です。もちろん、すでに確立されているフェアトレードやオーガニック認証がついている商品は、決められた一定の条件を満たしていることは事実ですが、その末端まで追うことは不可能。本当にエシカルな商品かどうかを判断するためには、認証マークの有無である程度判断するしかないようです。しかしその一方で、認証をとっていないが立派に途上国の支援をしている団体があることも、また事実です。認証の取得は、それ自体お金がかかり、フェアトレード商品を広めようと真面目に取り組む会社や団体が信用を得づらいという問題もあります。各認証マークについては、こちらにも詳しく載っています。

金額が高い

全体的には、金額が高めのものが多く、なかなか自分用には買えないことが多いかもしれません。この記事でも最後に紹介していますが、エシカルな商品はギフトで贈るのがベストです。自分で使うものであっても、先ほどの「エシカル消費のメリット」であげたように、長く使えるものであれば、長期的にみればコスパは良いかもしれません。

大人なら一度は読んでおきたいエシカル初心者向けの本

エシカルという考え方がわかったところで、ここからはさらに一歩踏み込み、過去の歴史や、「自分なりのエシカル」を考える上で参考になる本をいくつかご紹介します。エシカルに興味はなくても、普段自分が何気なく買っている物が生産されている背景を知ることができますよ。きっと子どもにも、使っているもの、食べているものについて知っておいてほしいと思うはずです。

はじめてのエシカル―人、自然、未来にやさしい暮らしかた

一般社団法人エシカル協会の代表の末吉里花さんが書いた本。エシカルについて、とても分かりやすく書いてあります。過去から現在の悲しい現実も掲載されていますが、ちょっとしたエッセイとしても気軽に読むことができます。著者の人柄がにじみ出る、読んでいて気分の明るくなる本です。「興味はあるけど、あまり重い内容はちょっと...」という方におすすめ。

フェアトレードのおかしな真実―僕は本当に良いビジネスを探す旅に出た

複雑な構造のサプライチェーンに疑問を抱いた著者が、世界一周の旅に出て目にした誰も知らない驚きの真実を書いてあります。「フェアトレードだから何も疑わずに買う」という行動に、疑問を感じている方におすすめ。

エシカル消費を実践するベストな方法:ギフトで商品を贈る

エシカルについてだいぶ理解が深まったところで、簡単にできるエシカル消費の方法をお伝えします。 著書「はじめてのエシカル―人、自然、未来にやさしい暮らしかた」の中で、末吉里花さんはこのように言っています。
『大切な人へのプレゼントは、誰も傷つけない品物を』 実は、エシカルライフを広めたいと思ったら、エシカルなグッズをプレゼントするのが一番有効で素敵な方法です。 今まで私たちは、ブランド名や流行、そして見た目で、大事な人へのプレゼントを選んできたかもしれません。 でも、「プレゼントの裏側にある素敵なストーリーを含めて贈る」という考え方でプレゼントを選ぶと、贈る人も贈られる人も、さらに幸せになれるのです。 出典:「はじめてのエシカル―人、自然、未来にやさしい暮らしかた」第4章

  Ethical Givingでは、地球も人も喜ぶ、ギフトにふさわしいものをセレクトし、実際に使っている様子などを発信しています。 納得した上で人に贈りたいと思ったものが、環境や社会貢献になったらハッピーですよね。 Ethical Giftは、皆さんが楽しくエシカルライフを続けるために今後も情報発信していきます。 

 

エシカルとは、「環境・社会を考慮し、良心的に」考えるあり方のこと

ここまでをまとめます。
  • エシカルの定義は幅広く、絶対的な定義は存在しない。
  • エシカルの認知度は、現在はまだ低いが、エシカルについて考える活動が広がりつつあるので知っておいて損はない。
  • エシカルを広めるには、エシカルなものをプレゼントとして贈るのが素敵な方法。
いかがでしたか? これからの未来を考えることの大切さは、誰でも分かっているはず。 何かしたいけど、「わざわざ」、「頑張って」するのでは続きませんよね。 無理なく、楽しく続けていくために、あなたの好きなものからエシカルライフを始めてみてはいかがでしょうか。